新型コロナ対策


稽古ができるということ


感染予防のために
 6月になりやっと緊急事態宣言も解除され、稽古場所として使用している体育館などの使用も許可されるようになってきました。家での自主トレは行なっていたものの3月から5月までの3ヵ月もの間、空手着に袖を通さずにいたのは空手を始めて40年の間で初めての事でした。

 これまではたとえ骨折してもギプスを巻いたまま稽古に参加し、できることだけでもやろうと取り組んできたのですが、今回は日本中、いや世界中がコロナ禍の巻き込まれる中、日常生活の変化が余儀なくされる中で空手の稽古などは二の次、三の次。外でランニングをするのでさえマスクをしていなければ「自粛警察」の非難の対象になるような風潮ですから仕方のないものでした。

 いくら自主トレをしているといってもモチベーションは上がらず、他の気晴らしになるスポーツや娯楽も自粛で何もできない中、今まで普通に「空手の稽古ができる」というありがたさを身に染みて実感させられることになりました。

 空手を行なうということは自分にとっては生活の中に組み込まれていて当たり前のものでした。
 空手は武道として生きていく上での道であり、人生において一生続けていく価値のあるものだと思っていますが、今回の事でそれを再認識させてもらいました。

 習っている人にとって、空手はあくまでも習い事の一つであり、スポーツの一つとして取り組んでいるに過ぎない人も多くいることだと思います。それはそれで大きな役割を持ち、否定するものではありませんが、できれば武道としての空手の良さに気付き、一生続けていけるものとして取り組んでもらえるようになればと思っています。

 そして、空手の稽古を続けていけるようにするためにも、再度感染拡大に至らないよう感染予防に気を付けていきたいと思っています。

 感染予防についてはいわゆる三密(密閉、密集、密接)を避けることが重要とされていますが、空手の稽古では[室内で][気合を発しながら][対人で組手]をすることから、いくら対策を講じても感染の可能性がゼロになるわけではありません。

 しかし、社会生活を営む上で必要とされる程度、学校などが再開されて子供たちが日常生活で友人たちと接する程度のレベルまでは同様に行っても問題ないのではないかと考えています。

 そこで、稽古を再開していく上では換気を行い、稽古の前後に手洗いなどを促して感染予防に気を配りながら行なっていきますが、差し当たりしばらくの間は稽古中にマスクの使用を義務付けたいと思います。

 マスクの効果については以前にこのコラムでも触れていますが、ウイルスの大きさを遮るだけの能力は持ちません。WHO(世界保健機関)から出されている声明でも自分への感染予防に効果が少ないことは明言されています。コロナウイルスは空気感染することはほぼなく、ウイルスの付いた場所を触った手で自分の口元や鼻腔を触ることで粘膜からウイルスが侵入することにより感染するものがほとんどだそうです。

 マスクの役割は、自分が感染していても無症状の場合に他人への感染を防ぐことにあります。ですから、稽古中に使用するマスクは声を出したときに唾液の飛沫が抑えられるものであればよく、医療用などで使われるN95のものや、複層で分厚いもの、完全に顔を覆ってしまうようなものは必要ありません。

 自分にとってマスクが有用なのは、ウイルスが付いた手で鼻や口を直接触るのを防ぐことで感染予防に役立つからです。

 これから気温が上がっていく中で、呼吸しにくいマスクを常に付けているのは熱中症を引き起こしたりする要因ともなり、健康面からは逆効果の場合があります。ですから稽古に持参されるマスクはできるだけ薄手で、呼吸が苦しくならない程度のものを準備していただけるようお願いします。

 来館された際に手指の消毒、体温の報告なども行うよう指導されており、体調のすぐれない場合には無理せずお休み頂くようお願い致します。

 また、万一、コロナの感染が発覚した際に、感染経路を特定することが必要となるため、見学者、引率の保護者を含め、来場された方の氏名と住所を報告することが義務付けされています。個人情報ではありますが、道場としてお借りしている各体育館等の事務室へのデータ提供に了承をお願いします。


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