試合での


ビデオ撮影


その効用とマナー
 最近は大会でビデオ撮影をする人が増えています。
 試合後にそれを見て、悪い所を修正したりするのにはとても有効なツールですが、その撮影マナーの点では考えなければならない部分も多くあるようです。

 大きな大会は後でビデオ化されることもあって、著作権の関係からビデオ撮影を禁止している場合があります。
 また、ビデオの映像を大会本部に持ち込んで判定へのクレームを付ける人も多くなっているようで、円滑な試合進行のためにビデオ撮影自体を禁止したり、「ビデオによる抗議は受け付けません」とルールに明記している大会も増えています。

 確かに最近では多くの競技でビデオ判定が採用され、それなりの効果を挙げているようです。しかし、一瞬の油断がKOに繋がる格闘技においては、選手の一番近くで見ている審判の判断が最優先されるべきだと私は思っています。
 目の前で実際に叩きあい、突き蹴りが身体に当たる音や選手の息遣いが聞こえる距離で見ているのと、離れたところで見ているのとでは臨場感が全く違います。ましてやビデオの枠の中の映像とでは比べ物になりません。ビデオに写った映像はあくまでも参考に過ぎないものだと思います。
 だからこそ、プロの興行でもリングサイドの席が一番値段が高いのです。ですから、子供の親御さんには是非、生の試合を直接観て応援してほしいと思います。最近はコートのすぐ側でビデオを手で持ってモニターを見ながら応援している姿をよく見掛けますが、モニターの映像と実際の動きには微妙なタイムラグがあります。そのゼロコンマ何秒かの差をリアルタイムで見ることが選手の動きをキチンと捉えることになるのです。
 後で見て参考にするのなら三脚等に固定して撮影しておいて、試合中は目の前の試合に集中して観て欲しいものです。

 又、これはビデオを撮影している人に限らずですが、本部席の前に入り込んで撮影したり、応援している人がいます。
 会場が狭い時には本部席前に来るのも仕方ないと思える場合がありますが、撮るのに夢中で本部席前で立ったままでいるため、本部席から試合が見えなくなっていることがあります。せめて前に入ってくる時には座って観るくらいのマナーは心得ておいて欲しいものです。
 本部席には来賓や各団体の先生が招かれて試合を観戦しておられます。そして、大会で観てきた事をそれぞれの道場に戻って指導に生かすのです。それを邪魔している保護者は自分の子供のことだけで頭がいっぱいでそこまで気付けない人が多いようですが、回りまわって考えれば、自分の子供の指導にもそれが生かされなくなるのですから、正に本末転倒と言える事でしょう。

 そもそも、本部席前は横切る事さえ遠慮すべきもので、それを当然のこととして指導されている先生もおられます。けれど、各先生も前に来た保護者に注意する為にじっと座って見張っているわけにもいかないのですから、保護者の方には、我が子の指導者に恥を欠かせないためにもマナーは守って欲しいものです。

 こういった応援マナーを守れない人が多いため、他競技から「空手」のレベルが低く見られてしまうのです。
 最近は少しマシにはなってきたとはいえ、試合中のヤジ応援の仕方にも気を配って欲しいと思います。


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