サポーター


扱い方
基本的に布製のサポーターは消耗品です。特にゴムを使っている部分は使用していなくても空気に触れているだけで劣化してきます。使い方にもよりますが、1年もったら充分だと考えましょう。サポーターはそんなに高価なものでもありませんし、安全のために使うものですから、ある程度ヘタってきたらケチケチせずに新しいものを購入するべきです。ただ、手入れの仕方によって寿命が大きく変わってくることも事実ですから、正しい手入れの方法も知っておいた方がいいでしょう。

まず、サポーターは毎回洗うものではありません。肌に直接着用するものですし、使った後は汗でグッショリと濡れていますから、本当は洗った方が清潔だとは思います。しかし、あまり頻繁に洗うとゴムがすぐに伸びてダメになってしまいます。普段は使った後に風通しのよい所に置いて乾かすだけで充分です。

何回か繰り返して使ううちに汚れがひどくなってくれば洗いますが、絶対に洗濯機で洗ってはいけません。あっという間にゴムが伸びてしまいます。

基本的には手洗いしなければいけません。洗剤を溶いたぬるま湯の中で軽く振り洗いした後、洗剤が残らないようによくすすぎます。干す時はタオル等にくるんで軽く叩いて水気を取って、必ず陰干しにして直射日光には当てないようにします。
足裏の部分はかなり汚れるのでブラシを使って洗いたくなりますが、どうせすぐに汚れますからそんなものは気休めです。本体の手洗いをこまめにやった方がずっといいでしょう。

ゴムが伸びてしまった場合でもサポーター本体の生地がまだ充分にキレイで、中のクッション材もヘタっていなければ、補修して使うことができます。
補修の仕方は簡単です。100円ショップなどで少し幅広(2〜3cm)のゴムを買ってきます。 手のサポーターの場合は、手首の部分に、足のサポーターの場合は一番上の部分と足首の部分にキツ過ぎない程度に縫い付ければ、普段の使用には問題なく使うことができます。見栄えはよくないですけどね。
本体が破れてきたら無理して補修するより買い換えた方がいいです。

少し値段は張りますが、手や足のプロテクター類にサポーターではなく、レザーや革を使ったものを使うのもよいと思います。

ただし、試合ではパンチンググローブなどの使用を認めていないところもありますから、大会用に布製のサポーターを一つは持っていたほうがいいでしょう。

パンチンググローブは指の出るタイプとボクシンググローブに似たタイプとがあります。子供の試合では指の出るタイプを使っている子が多いですが、フルコンタクトルールの大会ではたいてい掴みは禁止なのでどちらでも別に問題はありません。

レッグガードは各社からいろんなタイプのものが出ています。選ぶ時の注意事項としては、まずサイズに気を付けて選ばないといけません。長さが固定されるのでJr用と大人用の2サイズしかない場合に大きさが合わない場合があります。また、あまり重くないものを選んだ方がいいでしょう。しかし、どのタイプを選んだとしても布のサポーターよりは重くなります。
少年用にはほとんどありませんが、本革を使ったものはけっこう重たくてミット打ちのパートナーが使うのにはよいのですが、組手で使うのには向いていません。
レザー製品は使った後は汗をタオルでふき取るだけでいいので手入れが簡単です。
本革製品は汗を吸って、乾いてを繰り返しているうちにヒビ割れしてきますから、陰干しした後、たまに保革用のオイルを薄く塗っておくと長持ちします。

ケガ防止の観点から言うと膝のサポーターも使って欲しいところです。
現在、表面上は一線を退いているI館長(当時)はある空手雑誌の特集で、足のサポーターより先に膝のサポーターを買いなさいと述べていました。正に慧眼です。当時(今でもですが)、足のサポーターより先にヒザのサポーターを買いなさいと言っている指導者はまずいません。

ヒザよりもスネを保護したサポーターを使った方が、実際に稽古をしていく上においては効率がいいので、指導者もそちらを先に買わせてしまうものです。

昔からの空手家には「ケガは自分持ち」という考え方の人も多く、素手、素足を鍛えてこそ空手だ、という考えでサポーター類を一切使用せずに稽古を続けている道場も未だにたくさん存在します。
しかし、ケガをしてしまうとその間は稽古が中断することになりますから、ケガをしないために気を配ることは重要だと思います。

それに道場での稽古は自分ひとりだけで行なっているわけではありません。まず最初に考えなければならないのは、組手の最中に相手に不要な怪我をさせないことで、そのためにサポーターを使用するべきです。さらに自分の安全性を考えた場合にはヒザのサポーターも使うべきでしょう。

スネは俗に「弁慶の泣き所」と呼ばれ、ぶつけるととても痛くて初心者にとっては急所とも言えるのですが、鍛えていくうちに硬くなって慣れていきます。また初心者の間は打撲で腫れあがることはあっても大ケガに繋がることはまずありません。
ところがヒザは関節の構造が複雑で、靭帯やヒザの皿など、負傷すると長引く場合が多く、また若い間には治ったように見えても年を取ってから痛みが再発し、正座できなくなっている人もたくさんいます。

武道が生活の一部として一生続けていくべきものならば、普段の生活に支障を来たすようなケガをしないように気を配るべきです。
そして自分の安全だけでなく、稽古する仲間も一緒に向上していくことができるためにも、サポーターなどの安全具を適切に使うようにしましょう。


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