イカツク見せて
自己防衛
トラブルを未然に防ぐ
私はけっこうイカツク見られます。最近は年齢が上がってきた事もあって、若い時ほど鋭い印象はなくなり、顔がやさしくなったと言われたりもしますが、髪型は最近あまり見ない角刈りで、外出時は紫外線対策もあってサングラスを常用していますから、パッと見では近寄りがたい雰囲気があるようです。
そんな風貌だと初対面の印象が悪いから、もっと人当たりのいい格好をしたら?と言われたりもしますが、敢えてイカツク見せている部分もあります。
それは何故か?
嘗められないためです。
と言っても中学生が虚勢を張ってカッコつけているのとは違って、イカツク見せているのも安全のためなのです。
大体、他人に絡んで迷惑を掛けてくるような奴は、自分より強い相手をその対象に選ぶことはありません。自分より弱い相手を選んでカラんでいきます。しょうもない小さな事で人に絡んでいくようなヤツは、相手を見てコイツなら勝てそうだと踏んでるからカラんでいくのです。
少し頭のおかしくなった通り魔でも、強そうな相手は避け、年寄り、女性、子供など、弱い相手を選んで襲っています。
そんな時に、物腰は柔らかいのに絡まれたら軽く相手を制圧できる力を持っている、というのもカッコイイとは思うのですが、よほどの実力差がないとそううまくはいきません。
絡まれてから相手を制圧するより、絡まれないようにする方がトラブルを未然に防ぐという点では優れていると言えるのではないでしょうか。
不要なトラブルに巻き込まれないためにもイカツイ格好をしているのは役に立つのです。
ところが、それが格好だけだと、本当に絡まれた時に恥を掻くことになります。恥だけで済めばまだいいのですが、強そうに見える相手に絡んでくるような奴は、そこそこ自信のある奴ですから、やられた時には大ケガを負う危険もあります。
「強そうだ」と思わせる格好をするのなら、それなりの裏付けがある実力を身に付けておくことが必要でしょう。
では、私が絡まれた時にどうするのか。
状況にも拠りますが、まず謝りますね。
謝って済む事であれば、その方が平和的に解決できますし、事後処理の大変さを考えたら謝っておくほうがずっと楽です。
ところがそれで相手が満足して終わればいいのですが、イカツい相手にわざわざ絡んでくるようなバカは嵩(かさ)にかかって更にムチャな要求をしてきたり、暴力行為に及んでくる場合があります。
そうなった時にも謝り続け、相手が満足するまで殴られていた方がよいのでしょうか。
絶対にそんな事はありません。
そんな場合は往々にして暴力がエスカレートしていきます。子供同士の軽いイジメだったものが相手を死に至らしめるようになるのは、ほとんどがこのパターンです。
とりあえず謝って相手が納得しなかったら・・・
戦うしかありません。
その時に相手と力の差が圧倒的にあったのなら、相手を傷付けずに制圧する事ができるのかもしれませんが、敢えて絡んでくる奴は多少腕に自信がある奴ですから、制圧するのはそんなに簡単なことではありません。一発殴ったら相手がひるんで止めるだろうなんて思っていては甘いのです。今は何とか抑えることができた程度だと、後でまた報復されることにもなります。ヤル時は徹底的に叩きのめすのです。二度と人に絡もうなんて思わなくなるくらいに。
しかし、今の日本の法律では、いくら相手が悪くてもそいつにケガをさせてしまったりすると「過剰防衛」としてこちらが罰せられてしまう事になります。
そうしなくてはこちらが被害者になってしまうことがあるかもしれないのに、です。
「過剰防衛」にならない程度に・・・なんて法律では言ってくるかもしれませんが、争いの現場でそんな悠長な事を言ってられるワケありません。戦うと決めたら徹底的に、です。それで過剰防衛に問われたら・・・仕方ありません。その時は日本の法律下において自分で責任を取ることになります。
けれど、戦うとなったらその結果は自分が引き受ける事を覚悟して、一歩踏み出さなければならない場合があります。そうしなければ自分が被害者になるからです。そして、戦うのならば必ず相手を倒して勝たなければなりません。
その力を持った上で、トラブルに巻き込まれた時にも相手に謝る余裕を持てるのがベストです。
しかし、そんなレベルにまで達するのは並大抵ではありません。人は中々そこまで我慢できませんし、技術的にもそこまでのレベルに達していない人がほとんどでしょう。
トラブルに巻き込まれた時に謝ることしかできないと、往々にして相手の暴力がエスカレートしてくるものです。
イザとなったら意を決してやらなければならない時があるのです。
戦った結果、相手がケガをして過剰防衛に問われたら・・・なんて考えていたら遅いのです。相手を叩きのめして、その結果は自らで引き受けるしかありません。
けれど、苟も空手を学んでいるのならば、謝り続けてやられるよりも、相手を倒してそれで非難されるほうがまだマシではないでしょうか。
もちろん、トラブルにならないのが一番なのですから、できるだけ相手が絡んでこないようにする事が大切です。
そのための方法の一つが、「相手にすると厄介だな」と思わせるような格好をしておく事なのです。
誰にでもお薦めできる方法ではないですけどね。