大きい組織の場合、
会費以外にも上位組織へ登録が必要だと言って
年会費を徴収しているところがあります。これなどは本来、その道場を預かる者が、各道場生から集めた会費の中から「支部費」として納めていればよいものであり、道場生個人が負担すべきものではないと思います。
その支部が既に本部へ「支部費」を納めているのなら、いわば二重徴収されているようなものです。
上位組織がそのようなシステムをとっているならば、それは間違いなく
収益を上げるためのものです。
また、所属する団体が主催する
大会への出場を義務付けられたり、
合宿への参加がなければ審査を受けられないなど、
様々な行事への参加を求められたりします。
そういった組織の活動への参加を審査の前提条件にするのが
間違っているとは言いませんが、合宿にしても、一般部ならば稽古が中心になりますが、少年部の合宿では海水浴や山での野遊びなどがメインだったり、稽古無しで冬にスキー合宿を企画したりするところもあります。
勿論、
参加は任意ですが、子供の場合、友達の多くが参加しているのに自分だけが参加しないと
仲間はずれになったような気になるものです。
そんなイベント的な行事への参加も
当然費用が掛かりますし、それほど安い額ではありません。けれど、こういった様々な大会や合宿に参加する事で得られる経験に、
それだけの価値を感じられれば、それは悪いものではありませんが、兄弟が一緒に習っていたりして2人分の費用を捻出するのが難しい家庭もあると思います。それを考えると、
活動の中心は普段の稽古であるべきだと思うのは、私だけではないでしょう。
サッカーや野球なんかの場合は
試合の遠征費用がけっこう掛かりますし、練習への
付き添いで
お茶係などが
保護者に義務付けられていたりしますから、それからすると空手の場合はまだ負担が少ない方かもしれません。ただし、主催大会のときに運営スタッフとしてお手伝いを頼まれたりすることはあります。
様々なイベントに
参加できる場を用意してやるのは
指導者として間違ってはいませんが、本来、
武道の場合は
普段の稽古が中心であるべきです。試合に出ないのなら空手をやっている意味がないと考える人は、空手をスポーツとしてしか捉えられていない人です。GAMEのないスポーツは存在意義がないといってもいいものですが、武道にとって試合は、
「やる必要が無い」ものではないけれど、「やらなければならない」ものでもありません。
空手をするのはとても有意義なことだと思いますが、
それ以外の諸々が付いてきた場合に、それが本当に必要なものなのかどうかは、保護者が
よく吟味してみる必要があるのではないでしょうか。
同時に空手の指導者も、道場生にやらせていることが
「空手を学ぶ」のに
必要なのかどうかはよく考えてもらいたいものです。
「道場運営について」
項目内リンク
@理想と現実の狭間で
A会費の額の妥当性
B審査費用の額
C会費以外の費用や手伝い
D保護者への対応