道場運営B


審査費の額


適正価格
・審査費用が高い
 審査にしても費用の高過ぎるところが多いように思います。伝統派でも高段位の費用にはウン十万も掛かることがありますし、そこまででなくても子供が最初の方に受ける級から結構な費用が掛かります。

 まだ幼くて、型もできないような子に、上達の目標を設けるために低い級を設定するのはあってもいいとは思いますが、道場によっては審査費と別に、合格したら認定料、免状代、帯代など、いろんな名目を付け、更に色帯にまで刺繍を施し、道場名と氏名を黒帯同様に入れているところもあります。当然ながらその費用は余分に徴収されます。

 更に黒帯を取るまでに「初段補(?)」とか「準初段(?)」などを挟んでいるところもあって、普通の黒帯になるまでにいったいいくら掛かるのか、考えただけで目眩がしそうです。しかも、そこまでしてやっと取った黒帯も16才以下は少年部だからと、大人になったらまた白帯からやり直さないといけないところもけっこうあります。

 まぁ、そんな道場を自ら選んで通っているのですから、本人の(親の?)勝手といえばそれまでですが、そんなのサギみたいなものだと思うのは私だけではないでしょう。

たとえ少年部であってもホイホイ級を上げていくべきではないですし、実力のない黒帯を量産する事で、世間から見た空手の価値を下げていることになります。

 そんなに簡単に級を上げるのはなぜだと思いますか?

 どんどん上を目指して頑張らせるため? 勿論それもあります。特に子供の場合は遠い目的よりも目先の昇級によって帯の色が変わる事を目標にした方が頑張れるものです。多いところでは3カ月に一度審査会があって、あっという間に昇級させています。

 けれど、まだそのレベルに達していないのに級を上げるのは何故でしょう。

 それはズバリ、審査費です。
ある空手の先生は、「3カ月に1回ボーナスだ。ワハハー。」と笑っていました。

 もちろん級の認定料として費用を徴収するのはおかしなことではありませんが、その審査に掛かる費用が他の資格と比較して高額過ぎるのは暴利を貪っていると見られても仕方ないと思います。

 では、級位や段位の取得に掛かる適正な費用とはいくらくらいなのでしょうか。

 これも一概には言えません。とりあえず空手を続けて審査費を払えばどんどん上がる級であっても、受ける側がその級にそれだけの費用を払っても構わないと思い、級を取る事で満足を得ているのであれば、その費用も高くはないという事になります。

 習っているのが子供の場合、その親が支払っても構わないと思う額ならば、別に問題無いわけです。

 こう書くと曖昧すぎて具体的な額を知りたい方もおられると思うので、ざっくりとした目安を述べてみましょう。

 低い級ならば、免状、帯代を含めて5000円緑帯以上8000円といったところではないでしょうか。
 初段(黒帯)の時には3万円が一つの目安ラインだと思います。

 これ以上の費用が掛かる場合には、間違いなく審査する側の利益となっているでしょうし、これ以下の場合にはそれほど利益と呼べるほどのものがあるわけではありません。

 級位や段位を認定するだけなら特に費用は掛かりません。それこそ昔は「よし、明日からお前は黒帯を締めろ。」「押忍!」という事もあったようですが、それだけなら確かに費用も掛かりません。単にその段位を「認可して頂いた」だけなので、謝礼としていくらか包むという事だったようです。

 けれども流派、組織としてシステム化していく上では、免状の発行・帯の作成・上位組織への登録など、様々な雑費が掛かってくるようになります。
 例えば、昔は手書きで書かれていた免状も、今はほぼすべて印刷ですから原版の作成から印刷、落款の印(最近はこれまで印刷で済ましている場合も多い)など、色々と費用が掛かりますし、授与される帯にしても帯本体だけでなく、それに入れる刺繍代(これが結構高い)など、ハタからは見えない様々な費用が掛かっています。
 こういった面を見ず、自分の受けた一回の審査費用だけで高い安いを考えるのは適切ではありません。

「道場運営について」
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@理想と現実の狭間で
A会費の額の妥当性
B審査費用の額
C会費以外の費用や手伝い


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