稽古する時間


どれくらい稽古するべきか
当会では基本的な一回の稽古単位(これをクラスと呼びます)を一時間に区切っています。意識を集中させて稽古するためには、短時間でなければならないからです。稽古時間を一時間に区切って行うというのは、私の師範の教えです。

常設道場と違って借りた場所で稽古している場合には、時間の都合で少し長く続けて行うこともありますが、基本的には一時間の中で内容を絞りその技に集中して稽古を行います。多くの技を一度の稽古で行なおうとすると長い時間が必要となり、集中力が薄れ、結局覚えなければならない技の動きをマスターできないことになります。

ですから毎回稽古にテーマを決め、集中して稽古しなければならないのです。

特に子どもの場合は、休憩無しで1時間動き続けさせなければいけません。
いくら稽古したとしても、途中の休憩が長かったり、組手の順番待ちしている時間ばかりでは、本当に稽古していることにはならないからです。

大人の場合は、2クラス続けて稽古することもありますが、その場合でも稽古時間に集中することが求められているのは同じです。長時間ダラダラ稽古していいわけがありません。

その短い稽古時間の中で
「ちょっと休憩を・・・」
なんていうのは気持ちが入っていない証拠です。

これはもちろん体力的に無理をさせるということではありません。
気持ちの持ち方を言っているのです。

休憩を入れながらダラダラ長くやることで
「たっぷり稽古した」

なんて思うのは、自己満足に浸っているだけです。

3時間稽古する余裕があるのならば、まずは1時間、集中した稽古を行うべきです。

もちろん全日本大会を目指す人間と、日々の生活に張り合いを求めて空手をしている人間が同じ時間の稽古量でいいわけがありません。しかし、試合を目指す人間が時間的に多くの稽古を必要とするのは当たり前ですが、集中して稽古するということを忘れては、結局、無駄な時間を過ごしているだけになります。

短い時間に集中すること。
それができるようになることが一つ上のレベルに進むための第一歩です。

大会を目指すレベルの人間ならば、休憩したらまた動けるようになるのは当たり前です。「息が上がってからが稽古」というのは、休憩せずに稽古しろという事です。

必要なのは、どれくらい集中して稽古できたかということであって、どれくらい長い時間稽古したのかということではないのです。


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