遅刻に関して


稽古に遅れた場合

 基本的には稽古の始まる前に道場に入り、道場の清掃、用具の準備などを行なってから稽古に参加するべきですが、社会人の場合は仕事で稽古の開始に間に合わなかったり、学生でも用事が重なったりして遅れてしまうことはあります。
 道場によっては途中から遅れて稽古に参加することを認めていないところもあったりしますが、それだとほんの少し遅れただけでその日の稽古ができないことになり、とてももったいないことだと思います。
 もちろん遅れないようにする心構えを持つのは大切な事ですし、それだけの真剣さが求められているのだと言われると、それはその道場の方針ですから他流の者がどうこう言うべきことではありません。しかし、内弟子ならいざ知らず、ほとんどの人が空手以外の日常生活を持っているわけですから、そのような方針では稽古に参加できない人が多くなってしまうのではないでしょうか。
 稽古に入る前の心構えが大事なのは十分承知していますが、空手道というものは、やはり実際に稽古をして初めて身に付いていくものであると思います。

 鳳雛会では遅刻して稽古に参加することを認めています。(薦めているのではありません。念の為)
 遅れて稽古に参加する場合にはきちんと礼を正してから稽古に入るようにしてください。
 遅れてきて当たり前だ、都合があったから仕方ないだろう、といった態度ではなく、途中から参加させていただいて申し訳ないという気持ちで、遅れた分の稽古を取り戻す意欲を持って稽古してもらいたいと思います。

 逆に、遅れてしまったから残り時間が少ないし、行ってもすぐ終わるから仕方ない、などと考えて稽古を休んでしまう人もいます。
 たとえわずかな時間であっても稽古できるのなら稽古した方がいいに決まってます。
 遅れた場合にはすぐに着替えて準備運動を済ませ、なるべく早く稽古に合流するべきです。遅れてきたのにダラダラと着替えて、おしゃべりなどしてなかなか稽古に入らず、長々と準備体操をやっていたりする者がいますが、何の為に来ているのかということがわかっていないのでしょう。
 常設道場ならば、遅れた分を遅くまで残って稽古することも可能でしょうが、借りている場所であれば決められた時間までには出なければなりません。短い稽古時間を無駄に過ごすことのないようにしたいものです。

 また、これは武道に限らずですが、教わる側が指導者を待たせて平気なのか、という問題もあります。
 指導者が時間前に来て準備しているのに、教えてもらう側が遅れて稽古に出てきて申し訳ないと思う気持ちが無いのか、ということです。社会人である以上、仕事を初めとしてそれ以外にもいろいろな雑用が入ってくるのは仕方がないことだと思います。しかし、自分が希望して空手を習いに来ているのですから、教えてもらうことに対して感謝の意を示すという気持ちが必要なのではないでしょうか。
 人によっては、お金を払って習っているのだから自分は客の立場である。だから、お金を払いさえしていれば休むのも遅れるのも勝手じゃないかと思っている人もいます。 (特に最近、子供を習わせている若い親御さんに多いような気がします。)
 しかし、習い事をするというのは商品の販売と同じ感覚では通用しません。たんに知識の切り売りをしているようなカルチャー教室であっても、指導者に対して尊敬の念を忘れるべきではありませんし、武道ならばなおさらのことです。遅れたり欠席する場合には本来はきちんと連絡を入れるべきですし、前もってわかっているのならなおさらです。 急な用事が入って連絡が付けられない時には、次回の稽古の時に報告するくらいのことをしてもバチは当たらないと思いますけどね。



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