道着の着方B
背中のシワ
空手を習い始めた頃は道着の着方もどこかしっくりとこないものですが、何年も稽古していくうちにだんだんと道着が身体に馴染み、
帯を締めた姿が様になってくるようになります。これは稽古を重ねるうちに、動きやすい位置で帯が締められ、自然な姿勢で着ることができるようになるからです。
そうやって繰り返し道着を着て、何度も帯を結ぶ事で上手に道着を着こなせるようになるのもいいですが、早いうちから
道着をうまく着るポイントを知っておくのも悪い事ではないでしょう。
帯の位置が悪いと動きにくいので、稽古を重ねていくうちに自然と良い位置で締められるようになってくるものですが、実は、上着は
上級者でも少し格好悪い着方をしている場合が多いものです。
帯をどのように結ぶかについては他の多くのサイトでいろいろと紹介されていますが、
「カッコよく」着るためのポイントを示しているのはあまり見受けられないように思います。
帯の結び方については別のところで述べることにして、ここでは上着を着る際のポイントを挙げてみましょう。
まず、ほとんどの人は
身長に合わせて道着を選ぶので、痩せていても、多少太っていても同じサイズの道着を着る事になります。かなり太っている場合は、上着がチャンチャンコみたいになってしまうので、その場合はもう1サイズ大きな上着にするべきでしょう。
着る時に多くの人がやる
間違いは、前の袷(あわせ)を
先に丁度良いと思う位置で固定してしまう事です。たいていの人は上着を着て前を合わせ、正面から見て道着が真っ直ぐになるようにしてから、ヘソの位置に帯を合わせて巻き始めます。
初心者に帯の締め方を指導する際にはこのやり方が一番オーソドックスですが、ほとんどの人にとって
上着は身頃の幅に余裕があります。ですから、先に前を合わせると、
後ろに大きなシワが寄ってしまうことになります。
これに気付かずに(気にせずに?)着ている人がけっこう多いのですが、鏡を見ながら帯を締めて身だしなみを整えたつもりが、後ろから見ると道着に大きくシワが寄ってだらしなく見えてしまいます。大会などに出た場合にもゼッケンがよじれてしまって見えにくくなり、
「カッコ悪い」と思います。
先に述べたように上着の幅には余裕があるので、どこかへ
シワが寄るのは仕方ないのですが、
真後ろがシワくちゃでは
格好いいとは言えません。
帯を締めた後に鏡を見ながら直していってもいいんですが、
自分の後ろは見えにくいのでキチンと直っているかどうかわかりにくいものです。
後ろをシワにせずに着るためには、まず背中側の道着をピンと張って
前の袷(あわせ)の部分を思い切り深く重ねます。
首の所まで重なってくるので少し苦しいですが、まずはこの状態のままで帯を締めます。
帯の位置が決まってから胸元を整え、それから前裾が真っ直ぐになるように揃えます。
胸元を整え 前裾を真っ直ぐに
すると余分な幅のシワはほとんどがサイドに集中するため、正面から見た姿だけでなく、後ろから見ても大きなシワができず、
スッキリとした見た目になり、だらしない印象になるのを防ぐことができます。
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「C帯の結び方」へ続く