イジメについて
強くなれ、イジメる側もイジメられる側も
最近、イジメについてのニュースをよく耳にします。
イジメによって自殺した子供の親が被害届を警察に出し、学校に強制捜査が入ったことでかなり話題に上りました。
そこに至るまでの学校や教育委員会、警察などでの対応が不適切であったとマスコミでいろいろと報道されていますが、そのことについては敢えてここで是非を問いません。
私が強く言いたいのは、イジメの原因は「弱さ」にあるのだということです。
もちろんイジメる方が悪いのに決まっています。けれどイジメで子供が死んだ後で、学校や教育委員会に「イジメの事実を認めろ」などと訴え、それを認めさせたとしても「これでよかった」などと言えるわけもありません。死んだ子供は帰ってこないのです。
管理者側の責任の所在を明らかにするのは必要かもしれませんが、何より大事なのは子供が元気に生きている事なんじゃないでしょうか。
「こんなことが二度と起こらないようにしっかり監督して欲しい。」
こういう気持ちもわかります。けれど現実社会の中で、人間が集団で活動しているところでは「イジメ」のようなものは決してなくならないでしょう。
だとすれば、何が喫緊の課題かとすれば、イジメられる側が強くなることです。
こう言うと、「強くなれないからイジメられるんだ。そんなに簡単に言うな!」とお叱りを頂きそうですが、それでも私は、敢えて言います。「強くなれ」と。
それは肉体的な面でもですが、精神的な部分で強くなることができれば、より良いと思います。精神的に強くなることで、本人が、人として成長していくことにもなります。どちらにしても強い相手をイジメるということはできなくなります。
特に子供の間は直接的に攻撃されたりすることが多いので、肉体的な部分が強くなればほとんどのイジメを防ぐことができます。
ところが成長していくに従って、精神的な陰湿なイジメが増えていきます。これに対しては自分も精神的に強くなって対応していくしかありません。それは大人になって社会に出てからも多く在り得ることです。
とにかく、自分が強くなればイジメには遭いません。肉体的にも精神的にも、強くなっていって欲しいと思います。
そして、その強くなるための方法として、私は空手を学ぶことを勧めます。
もちろん他の武道でもスポーツでも構わないのですが、他の種目と較べても、肉体的な部分と精神的な部分を共に強く鍛えるのに、空手は非常に適していると思います。
そして、単に「強くなる」という目的以上に、空手には人生の中で充実感を得るチャンスが非常に多くあります。
できるだけ多くの人に、そのような機会を持って欲しいと思うのです。
空手をすることで、まず肉体的に強くなれます。ケンカして勝つために空手を習うのではないけれど、ケンカしても負けないだけの力を付けておけば、ケンカになること自体が少なくなります。
そして空手を続けていくことで精神的にも強くなります。辛い稽古を続けることで、少々の事ではへこたれずに頑張ることができるようになってきます。
「イジメられて」死にたい気持ちになったとしても、、死を選んだ時点で負けです。そこで人生が終了してしまうのですから。
空手を学ぶことで諦めない強い心を養ってほしいと思います。
表題に「イジメる側も」強くなれと書いてあるのを見て、何かの間違いではないかと思われているかもしれません。イジメられる側が強くなれというのはわかるが、なぜイジメる側に強くなることを勧めているんだと不思議に思われているかもしれません。
けれど、実はイジメる側も弱いのです。イジメをする側もされる側も、どちらも「弱い」のに変わりはありません。
自分が弱いから自分よりも更に弱い者をイジメることで、自分が強いという錯覚を見ているのです。
つまり自分の弱さから目を背けているだけなのです。
だから最近のイジメは対象がコロコロと入れ替わります。
絶対的に強い者がいてイジメを行うのではなく、自分がイジメに遭いたくないから多数派の中に入ってイジメる側になり、自分は強いのだと錯覚しているだけです。イジメる側も本当の強いわけではないので、ちょっとしたきっかけでイジメられる側と簡単に入れ替わってしまうのです。だから本当の意味で強くなる必要があるのです。
本当に強ければ自分の強さをアピールする必要はありません。いざとなった時にはその強さを出しさえすればいいのですから。
空手においても、ホントに強い人はそれを誇示しません。
大会などで顔を合わせても、こちらが恐縮するくらいに低姿勢な人が多いです。もちろん動作の端々で「こいつは怒らしたらヤバイやろうな」というのは感じます。
(たま〜にそれを感じることができない鈍感な奴が、失礼な態度を取ってエライ目に合ったりしてますが・・・)
とにかく本当に強くなることでイジメる側に立つことは減っていくと思います。
イジメをする側もイジメを受ける側も、空手を学ぶことで心も体も強くなってイジメの世界から抜け出し、一段上のステージに上がって欲しいと思っています。