子供はホメて伸ばす?B


褒める時のポイント
 「促通反復」のコラムでNHKスペシャル「脳卒中・リハビリ革命 脳がよみがえる」を取りあげましたが、番組の後半で『「ほめる」と脳が変わる・その効果』として、「ほめる」ことの効果について述べられていました。その内容に「ホメて伸ばす?A」で述べたことに関連するところがありましたので取り上げてみたいと思います。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のリハビリ研究の世界的権威であるブルースドブキン教授によると、「脳はほめられたがっている」のだそうです。
 これは単にそういう風に見えるということではなく、科学的にそれが証明されているのだそうです。
 カリフォルニア工科大学の下條信輔教授によると、褒められると脳の報酬系という部分が刺激されてドーパミンという物質を分泌し、それによって脳が活性化するというのです。
 リハビリの効果が高まるという点に注目して見ると、周囲のあたたかな励ましが大きなカギになるのだそうです。
 そのあたたかな励ましとして、「ほめること」が重要な役割を果たすのです。

褒める時のポイントとして
・具体的にほめる
・すかさずほめる

という2つが挙げられています。

 これは、何について褒められたのかを脳が理解できるようにするためです。

 脳は後から「この事が良かった」と言われても理屈で理解できるものではなく、いわば動物的に単純な反応をするということです。

 このことは空手の上達においても非常に重要で、技術的に上達するためにはその技ができたその瞬間にほめなければならないということです。
 例えば、試合をやっているのを見て、試合後に「あの技が良かった」などと褒めてもあまり効果が無いのです。

 つまり、ほめられたことで脳が活性化するというのは、その瞬間の出来事に対してだけなので、後から褒めることで本人がいい気分になることはあっても、技の上達に関しては意味が無いということです。

 このことからも、重要なのは褒めるタイミングであって、何でもかんでも褒めればいいというわけではないのです。

 「ウチは子供をホメて伸ばす主義だから、とにかくホメることにしているんです。」という方がいますが、単にホメればよいというものではなく、ホメる方にも適切なやり方があるということを知らなければなりません。子供を伸ばすためにホメることは重要ですが、その為にはホメる側にもそれなりの知識が必要とされるのです。

 それに怒られる経験をしていない子供は不幸です。ダメなことに気付けないようになってしまうのですから。褒められると気分がいいものですが、それだけでは上達しないのです。次へのステップとするためには、悪い点はきちんと理解して直していくようにしないといけません。
 褒められることで脳内によい動きをする回路ができることと、悪い点を反省して修正するということの両方によって、より良い上達に向かって進んでいくことができるようになるのです。

 また番組の最後で、リハビリ後に睡眠を取った後の方が動きの反応がよくなる、ということが述べられていました。
 これは、リハビリ後に睡眠を取る事で別の情報が脳に入ることなく、いったん脳が覚えたことが再整理され、脳と体の神経伝達がスムーズに行われるようになるからだそうです。
 アメリカ・カンザスシティーのカンザス大学病院での臨床報告によると、脳波に「睡眠紡錘波」が出ることでこのことが確かめられるのだそうです。

 空手の稽古も同様に、汗を流して体で覚えたことを脳にきちんとインプットするためには、稽古の後に睡眠を取った方が良いと考えられます。

 稽古後は、しっかりと栄養を補給して十分な睡眠を取りましょう。


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